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米大手通信社ブルームバーグ 弊社共同創設者のジェイソン・ラムにインタビュー

Posted by Hana.A on 7月 11, 2022
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香港の富裕層が日本の不動産に殺到、賃貸収入目当て-円安で拍車

為替市場で急激に進んだ円安は、ときに意外なギャップを生む。格安で購入できるようになった日本の不動産は高い利回りを生み、香港の投資家の強いインセンティブになっている。彼らは東京のウオーターフロントで高級物件を購入し、利回りが見込める地方のワンルームマンションを物色する。

香港の不動産業者によると、円が対香港ドルで1998年以来の安値圏にあることを背景に、今年は日本の不動産の売れ行きが好調だ。新型コロナウイルスの感染予防対策の緩和で入国規制が解かれる方向にあることも、投資家からの問い合わせ増加につながっている。だが、顧客の多くが実際に物件を見て買っているわけではない。

香港にあるジャパンハナ不動産の共同設立者でマネージング・ディレクターのジェイソン・ラム氏は、「日本が注目を集めるきっかけが円安であることに疑いはない」と話す。ペッグ制を採用する香港ドルは米ドルに連動するため、米金融当局が金利を上げてドル高・円安になると、香港ドルもつられて上昇する。

ラム氏によると、香港の人々にとって日本の不動産は投資目的でセカンドハウスを購入したり、安定した賃貸収入を得るのに大きな魅力があるという。

海外投資家による需要は小規模だが、日本の住宅市場を下支えすることが期待される。首都圏では東京オリンピックに向けた開発や共働き世代の増加を背景に、昨年の新築マンション価格はバブル末期の1990年に記録した価格を上回った。それでもなお、東京はロンドンやニューヨーク、香港のマンションと比べ1平方メートル当たりの単価が安い。

米国に本社を置くジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)には、日本の物件に関する香港の投資家の問い合わせが前年比で70%、販売が同30%増えた。アジア太平洋地域の国際住宅部門を担当するマンディ・ウォン氏によると、見込み客は海外の不動産投資に慣れた富裕層で、長期の賃貸収入を目当てに購入する。

香港のラム氏によると、多くの顧客がセカンドハウスを探すのは東京や大阪に加え、グルメスポットを抱える観光地の京都や福岡だ。北海道のスキーリゾートも人気がある。

個人投資家の物色
ジャパンハナ不動産のサイトには、広尾にある3ベッドルーム付きタウンハウスや、新国立競技場をデザインしたことでも知られる建築家の隈研吾氏の手による50億円は下らないであろう明治神宮を見下ろすペントハウスなどが並ぶ。中価格帯の物件でも、レインボーブリッジが見える芝浦の3ベッドルーム付マンションは6400万円からだ。

だが、ヘリコプターのツアーに招待されて購入を決めるような富裕層は一部であり、ほとんどの買い手は現金で購入できるぐらいの価格で、それほど広くない中古マンションを探しているという。彼らが狙うのは売買益ではなく賃貸収入だ。

香港在住で30代の銀行員、グレース・ラウ氏は昨年、福岡にマンションを2部屋購入したが、円安をチャンスとみて6月に18.6平方メートル(200平方フィート)のワンルームマンションを30万香港ドル(520万円)で買った。

以前購入した同じような物件より2割安く買えたという。それでも彼女は、円安が進めば買い増すかもしれないとし、 理由について「銀行に預けたところで利息は付かないが、マンションなら5%の利回りがある」と話した。

香港でレストランを営む40代のサム・ウー氏は、日本の不動産市場は香港より安全とみており、およそ半年前に400万香港ドルで大阪の心斎橋近くに店舗を購入した。

ウー氏は、「不安定な香港の不動産市場から多くの投資家が手を引いたので、自分も別のマーケットを探したかった」と話す。コロナ禍以前に仕事やレジャーで頻繁に訪れて日本を知っていたこともあって、すでに不動産を3件購入していた。今回はインターネットのストリートビューなどで下見しただけだが、購入に迷いはなかったという。

年6%の魅力
ウー氏が日本で所有する物件の利回りは年6%を超えることもあるという。以前所有していた香港の物件が年3%以下だったのと比較してかなり効率が良い。JLLによれば、シンガポールやロンドンの一等地でさえ、利回りは3%に満たない。

ただ、三井住友トラスト基礎研究所の副主任研究員、荻島駿氏は「土地勘がないところで街の様子や物件の中を見られないのはリスクが高くなる」と指摘する。また、「郊外化が進んだり、より広い物件のニーズが高まったりと、新型コロナ感染症が終息した時にどう需要が動いていくか読みづらい」点もリスクとして挙げた。

それでも香港の投資家を引きつけるのは、日本では外国人による不動産の購入に特段の制限がなく、非居住者に対する追加課税がないというメリットもあるためだ。

香港の不動産業者は、入国制限がなくなれば日本への不動産投資熱はさらに高まると予想する。英国のコンサルタント企業、サヴィルスの国際住宅部門責任者、マーク・エリオット氏は、「日本は香港に近く、不動産を購入したい投資家が訪れる機会はもっと増える」と指摘した。

 

弊社ジェイソン・ラムのインタビュー内容は下記ご参照ください。

ブルームバーグ ~日本語 香港の富裕層が日本の不動産に殺到、賃貸収入目当て-円安で拍車

ブルームバーグ 原文~英語 Cheaper Yen Lures Hong Kong’s Rich to Japanese Real Estate

ジャパンタイムズ ~英語 Cheaper Yen Lures Hong Kong’s Rich to Japanese Real Estate

 

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