Your search results

資産売却「HIS」「電通」「西武」などが次々と

Posted by Hana.A on 7月 26, 2021
0

・手元資金を確保

・売却益は890億円

大手企業による資産売却が相次いでいる。大手旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)は2021年6月30日に、東京都港区の本社を売却すると発表した。大手広告会社の電通グループは6月29日に、東京都港区の本社ビルの売却を検討していると発表。西武ホールディングスも5月13日に発表した中期経営計画(2021~2023年度)」の中で、ザ・プリンス パークタワー東京をはじめとする国内外のホテルや、新横浜西武ビルの売却を明らかにした。新型コロナウイルスの感染症の拡大による景気低迷で、業績が悪化する企業が多発しており、財務体質の強化の一環として、さらにはコロナ後を見据えた投資拡大に向け、今後も資産売却に取り組む企業は増えそうだ。

手元資金を確保

HISは東京ワールドゲート神谷町トラストタワー4階、5階の本社を7月30日に、三井住友フィナンシャルグループのSMFL みらいパートナーズ(東京都千代田区)に売却し、同日からそのまま賃借するセール・アンド・リースバックを実施する。リース料は交渉中で、7月末をめどに最終契約を結ぶ予定。同社は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年10月期は311億2900万円の営業赤字に陥っており、6月11日に発表した2021年10月期第2四半期決算でも310億8300万円の営業赤字を計上している。このため資金を調達し、手元資金を確保するのを狙いに、セール・アンド・リースバックの手法で本社を売却することにした。

売却益は890億円

電通グループが売却を進めている本社は地上48階、地下5階建てのビルで、売却額は3000億円ほどの見込み。売却益は890億円を見込んでおり、売却が実現すれば2021年12月期に、営業損益で870億円、当期損益で590億円のプラス効果があるとしている。同社の業績は新型コロナウイルスの感染症拡大で落ち込んでおり、2020年12月期は1406億2500万円の営業赤字を余儀なくされた。ただ2021年12月期第1四半期決算では前年同期比16.7%増の288億1100万円の営業利益を計上しており、回復傾向が見え始めている。資産売却による資金は2024年を最終年とする中期経営計画の達成と、その後の成長に向けて活用するとしている。西武ホールディングスが策定した中期経営計画は、コロナ後の成長を見据えたもので、資産売却資金は、事業による利益と合わせ、所沢駅西口開発や軽井沢プリンスホテルウエストの改装、都心エリアの大規模開発などの価値向上投資などに充当する。売却は年内をめどに確定する予定で、ホテルなどは売却後も運営を受託したい考え。さらに売却だけでなく、新横浜スクエアビルなどは、流動化することも検討していく。同社の2021年3月期は515億8700万円の営業赤字だったが、2022年3月期は90億円の営業利益を見込んでいる。

Compare Listings