投資ファンドが主要都市住宅価格を押し上げ
東京や大阪など日本の主要都市の住宅価格上昇は、高所得層やファンドによる投資目的での購入にその背後にある。国内外の投資ファンドは、特に一等地のマンション投資に注がれている。
今年1月、東京の人気エリアである広尾で販売された38戸のマンションが1ヶ月で完売した。価格は5200万〜8680万円。購入者の年収1,000万円以上が90%を占め、そのすべてが賃貸収入と租税回避を目的とした投資であった。開発・販売を担当するトーシンパートナーズの千代屋直幸社長は「通常の2倍の速さで完売した」と語った。
国土交通省の計算によると、東京の中心部では、住宅の1㎡あたりの平均取引価格(約3.3㎡)が大幅に上昇している。千代田区は2020年4月から9月にかけて前年同期比13.1%増、港区は10.9%増となった。千代田社長は「立地条件の良いプロジェクトの価格は上昇し続けるだろう」と見込んでいる。
大阪も同様の傾向を示している。大阪市の繁華街浪速区は12.7%上昇した。通勤に便利な住宅を中心に大きな需要があり、投資資金も流入している。
2025年日本国際博覧会(大阪関西博覧会)の開催地となる此花区は13.3%上昇し、今後も上昇が見込まれる再開発エリアも拡大している。大阪在住の40代の医師は過去2年間で7棟の高額投資住宅を購入した。何億円もの不動産を保有しているが、「条件の良いプロジェクトが見つかったら、もっと早く買いたい」と語る。
日本の総合不動産サービスを提供しているJLLの統計によると、2020年の日本への不動産投資は4.5713兆円で前年度から4%減少。新型コロナウイルスの流行は、オフィスビルや商業施設の大幅な減少を引き起こした。一方、賃貸住宅への投資は約50%増加し、JLLは「住宅資産が再び安定している」と見ている。
海外投資家は総投資額の34%を占め、2007年以来の最高水準となった。新型コロナウイルスの蔓延後、ドイツのアリアンツグループ傘下の不動産投資会社は、東京の23区で賃貸住宅を取得し、総投資額は約3億ユーロであった。
新型コロナウイルスの大流行によってもたらされた世界的な金融緩和により、豊富な資金の一部が住宅に流れ込んでおり、この傾向が今後も続くであろう。